先日,元プロ野球選手の清原和博被告人に対して,東京地裁が「懲役2年6月執行猶予4年」の有罪判決を言い渡しました。
有名人の薬物事件ということで,関心を持たれた方も多いと思います。

薬物事件に弁護士が関わるのは,主に覚せい剤等の違法薬物で検挙された被疑者・被告人の弁護活動ということになりますが,
同事件の弁護活動については,独特の難しさがあります。

覚せい剤等の違法薬物の使用に至る背景には,当該人物が置かれた社会的・心理的環境等が複雑に影響しているため,再犯の
防止を図るためには,被告人等から詳細な事情聴取を行った上で,当該被告人が薬物使用に至った経緯・背景等を検証すること
により,再犯防止のために必要な人的・物的環境の整備を行うことが必要不可欠となります。

そのため,被告人本人が,薬物の使用習慣を断ちたいという強い意志を持っていることがまず第一ですが,それ以外にも,親族等
による具体的で実効性のある指導・監督方針の確立のほか,例えば,ダルクや薬物外来への通院治療等といった専門的な機関
による継続的な治療・援助が必要不可欠なものとなります。

自分が,これまでに多数の薬物事案の弁護を扱っていますが,薬物事案においては,以上のような観点からの検討や立証活動が
必要となるため,弁護活動の内容についても色々と難しい面があり,単純に罪を認めているから簡単な事件であるというわけには
いかないことが多く,弁護人によって活動内容もそれぞれであると思いますが,これまでの経験を活かしながら,今後も被疑者・
被告人の更生に繋がる弁護活動ができるようになりたいと思っています。

沢田法律事務所