離婚と子どもについて
弁護士が普段からよく取り扱う事件として離婚事件がありますが,離婚という紛争が夫婦間に存在する
子どもに対して和えたる負担や影響も,当然のことながら,とても大きいものがあります。
子どもの監護,親権自体が問題となる事案もありますが,寧ろ,離婚後において,現状では母親が子の
親権者として指定される割合が多く,母子家庭となり,経済的に極めて不安定な状態に置かれることが
多いにも関わらず,他方で,近時においても報道されております通り,離婚後において,父親から子の
養育費を受け取っている母子家庭の割合は約2割前後という報道などもあり,親の子に対する基本的な
義務である扶養義務が適切に履行されていないことは極めて大きな問題であると思います。
そのため,母子家庭の状態になり,経済的に困窮した状態に置かれた家庭内において,子に対する虐待
が発生することなども多く見られます。
離婚は言うまでもなく大人同士の問題ですが,それにより当事者間の子どもの生活や将来に対して,大
きな負担と影響を与える辛い出来事であることを夫婦それぞれが深く自覚した上で,離婚前だけでなく
離婚後においても,それぞれが親としての責務を果たし,子どもの福祉を充足することができるような
法的基盤を整備すると共に,それが当然となるような社会的な流れや雰囲気を醸成していく必要がある
ものと強く思います。
自分は,女性側で離婚事件を受任することが明らかに多いですが,離婚によりお子さんが不利益を受け
ないように可能な限りの配慮をして事件処理を心がけていきたいと思っています。